「あは、あははははは!すっご~~い!

まるで、お姫様みたい!」


茉美一人だけ、部屋の真ん中に立ってくるくる回っている。


「おい、茉美ってこんなキャラだったのか?」


俊秀が言う。


「ああ……うん。

茉美の家って、ちょっと貧乏でさ。

お姫様とかお嬢様とかに憧れてるの」


と私は答えた。


「気にいっていただけたかしら?」


紫織ちゃんがたずねると、茉美はこれまでないほどの笑顔で、


「ええ、とっても!」


と高揚したようすで答えた。