別にそんなこと、気にしなくてもいいんじゃないのか?

それに、学校はまだ授業中だろうし、今から戻っても欠席扱いにはならないだろうし………。


「俺、今ゲーセンとかカラオケとかの気分じゃねえんだよなあ。

ちょっとさ、この館の中探検してみね?」


うっ………。

敏がそう言うんなら、私達は従わなくてはいけない。


「まあ、それでしたら、まず私の部屋にご案内します!

私、お友達を自分の部屋にお招きすることが、夢の一つなんです」


紫織はそう言って笑顔で席を立ち、食堂の扉の前で


「さあ、ご案内します。

ついてきてください」


と言った。


「マジで行くのか……」


俊秀がため息を吐く。


「仕方ないよ、敏が行きたがっているんだもん」


俊秀に私は小声で言う。