ローストビーフ、ステーキ、タンドリーチキンから、名前のわからない肉料理まで、次々と平らげていく。

華奢で小さい体なのに、一体食べ物はどこへ入っているのやら……。


「意外と食べるんだね、紫織ちゃん…」

「ええ、食べることが私の唯一の楽しみですの。

食べることこそ、生きている中での最高の幸せだと思いません?」


にっこりと笑いながら、紫織ちゃんは言った。


「追加の料理を持って参りました」


さっきの執事さんが、たくさんの肉料理を運んできた。


「ありがとう、テーブルの上に並べてちょうだい。

あと、食べ終えた皿は持っていってちょうだい」


紫織ちゃんの指示通り、執事さんは料理をテーブルの上へ並べた後、食べ終えた皿を持って、再び食堂の外へ行った。


「なんだ、執事までいるのか…この館は。

全く、噂とは全然違う館だな」


俊秀が、肉を頬張りながら言った。