「ふーん、どうやら毒は入っていなさそうね」

希夏ちゃんはそう言って、さっきは食べないとか言っていたくせに、私と同じ肉料理を口に含んだ。

…私を毒味係りにしていたのか。

やっぱり、嫌な性格。


「じゃあ、俺達も」

「いただきます」


そう言って、唯也、茉美、俊秀と次々にみんな料理を食べる。


「うん!美味しい!

八衣、これ本当に美味しいね!」

「でしょ!」


「でもなんか……」


俊秀が、顔を少し歪ませる。


「どうしたのかしら?

お口に合わなかったかしら………」


心配そうに紫織ちゃんが俊秀の顔を覗きこむ。

「いや、そういうわけじゃないんだけど…………。




なんか、少し酸っぱいよな」






「あら、酸いものはお嫌いだった?」

「いや、大丈夫大丈夫。

ただ、少し気になっただけ」


そう言って、俊秀は再び肉を食べ始めた。