「なんだ?その女の子」


唯也が、女の子を見てたずねる。


「ああ……この子は……」

「私の名前は、紫織(シオリ)。

この館に住んでいるのよ」


私が答える前に、女の子……紫織ちゃんが答える。


「この館に……!?」

「す、住んでいるって!?」

「じ、冗談だろ!?」


みんな、目を丸くして驚いている。


「冗談なんかじゃなくてよ。

現に、ほら、ご覧ください、このテーブルに並べられたとても美味しそうな料理を。

そして私のこの格好。

他人のお家へお邪魔するのに、ネグリジェなんかで行く人はいないでしょう?」


と、紫織ちゃんが言った。