「だからじいや、今日はお客様がいるから、これぽっちじゃあ料理が足りない…。

もっとたくさんの料理がいるわ。

もっとたくさん料理を持ってきてちょうだい。

ね、八衣もどうせ食べるなら、たくさんのほうがいいでしょう?

一緒にお食事しましょうよ」


「え、ええ」


私は、思わずそう返事をした。


「はぁ……わかりました」


そう言って、執事さんは別の部屋へ行った。


もっとたくさんの料理って………見ただけでも十数人分は料理がある。

それなのに足りないなんて、一体どれだけこの館に人がいるっていうのよ?


もしかして、相模や南形先輩も、私と同じようにこの子に食事に誘われたのかな。

それで、帰るのが遅くなって、たまたまその帰り道に何らかの事件に巻き込まれた……とか?