行ってみよう、もしかしたら相模かもしれない。


そう思った私は、音のした一階奥の部屋に入ってみた。

しかし、そこには人は誰もいなかった。


「誰か…いませんか?」


もう一度呼びかけてみるが、やはり返事はない。


おかしい、確かにさっき、ここから物音がしたはずなのに………。

と疑問に感じたとき、美味しそうなにおいがした。


どうやら、この部屋は食堂らしく、大きなテーブルと豪華な椅子、そして大きな暖炉がある。

テーブルの上にはたくさんの料理が並べられている。


一体誰が、誰のためにこの料理を作り、ここに運んだのかは知らないが……やはり、間違いなくこの館には人がいるんだ。


物音がした後、食堂から出て行く人の姿は見なかった。

ということは、料理を運んだ人は、この食堂のどこかに隠れているってことだ。


「誰か、いるんでしょう!?

返事してよ、誰か、誰か!」