「父親は、紫織が何か危ない目にあったのかもしれないと思い、
慌てて館の中に入った。


けど、予想に反してそこには……、数人とメイドと執事の死体と、食堂で何かを食っている紫織がいたらしい。


紫織にたずねると、自分が食べていたのは、この館にいた人間の肉だと言った。


そして、それを料理したやつは、今も厨房で料理していると。


父親はすぐに警察に通報しようとしたが、紫織の話を聞いて彼女の境遇を知り、警察に通報することをやめた。


今まで自分の父親に酷い目に遭ってきた紫織が、この事件が明るみになることで、世間に好奇の目で見られることを避けたかったからだ。


父親は警察である自分の父親…俺の祖父に頼み込んで事件を揉み消して、この館を買い取った。


それ以来この館の主人は俺の父親ってわけだ。


八衣もバカだけど、相模も、お前のじーちゃんもバカだな。


どうして、今まで自分達が十分な環境で調理できることに疑問を持たなかった?


稼ぎがない館なのに、どうして水道やガスが普通に使えることを不思議に思わなかったんだ?」