「やめろ!!」


部屋に、また人が入ってきた。

そこにいたのは、私を嘘つき呼ばわりして館から出たはずの敏だった。


「敏!?」

驚く私は目もくれず、敏は相模のみぞおちを殴った。


「ぐううあああああっ!?」


蛙のような呻き声をあげるとともに、相模の手からナイフが落ちる。

すかさず、敏はナイフを拾った。


「なん……で……お前………が…ここ…に……………」


みぞおちを押さえながら、相模がたずねた。


「なんでって?

当たり前だろ?


だって、俺はこの館の主人の息子なんだから」


淡々と語る敏。