私が声を張り上げて言うと、紫織ちゃんは更に笑った。


「何がそんなにおかしいの!?」

「だって…アナタ………。

どうして、この館にいたコックさんの名前を知っているの?」

「え…?」

「相模庸一(ヨウイチ)……。

それが、この館でコックをしていた男の名前。

そして、この館の私を除くみんなを殺し、調理した男よ」


え……。



「相模庸一が死んでいる?相模庸一の脚をこの館で見た?

もう、おかしくて仕方ないわ。


だって……相模庸一は…五年前に死んでいるのよ?」


「嘘…」


じゃあ、私がこの館で見た、あのジーパンの男の正体って……。

それに、コックの名前が私達がいじめていた相模と同じ…。