わ……私が!?

確かに、あの館に相模を連れて行くのを提案したのは私だけど………。

でもそれは、敏に言われて仕方なく提案したことであって…………。


私は目で茉美に助けを求めるが、茉美は私を庇うことなく、私から目を逸らす。


唯也も俊秀も、誰も私を助けてはくれない。


みんな、怖いんだ。

敏が、怖いんだ。


敏は学校で一番の権力を持つ者。

そんな彼に逆らえばどうなるか…………そんなこと考えなくてもわかることだ。


みんな、一番大きな責任を私に擦り付ける気なんだ。

私の味方は……誰もいない。


「そうだ!敏、私いい考えが思いついたよ」


手を合わせてわざとらしく希夏ちゃんが言う。


「八衣をあの館に連れて行くのよ!相模を捜しにね。

一番大きな責任のある八衣に対するペナルティってわけ。

どう?面白そうじゃない?」