でも、私は何とも思わなかったわ。

だって、みんなのことが嫌いだったから。


私のことを甚振るお父様も、私のことを守ってくれないみんなのことも、憎くて憎くて、仕方なかった。


逆に、殺してくれて胸がすっとしたわ。


みんなを殺した後、コックさんは私にこう言ったの。


『お嬢様、以前のようにあなたに料理をつくって差し上げましょうか』


彼は厨房へ行って、皆の死体を、肉を調理した。

そして、私に食べさせた。


コックさんが辞めさせられてから、ずっとパンとミルクで生活していた私が、久しぶりに口にした“肉”料理は…。


それはそれは、美味しかったわ。


それから、しばらく彼は私に“肉”料理を作り続けた。

彼にとっては、それが私に対する復讐だったのでしょうね。

でも、私は普通に嬉しかった。

だって、毎日美味しい料理が食べられるんですもの。