このノートは、紫織ちゃんが今まで食べたものを絵とコメントを書いて記録したものなのだろう。

次のページは、質素なパンとミルクの絵。


きょうは、これだけ。
またオニク、たべたいです。


「これだけって……」


一日に、パン一つとミルク一本しか与えられなかったっていうこと?

やっぱり……満足な食事を与えられていなかったんだ、紫織ちゃんは………。


次々めくっていくと、大体パンとミルクの絵が描かれていて、たまに小さな肉の絵が登場する。


肉の絵の下には、必ずと言っていいほど「おいしかったです」と書かれている。

普段、パンとミルクしか与えられていなかったのだから、余程肉が美味しく感じられたのだろう。


しかし、ある日からしばらく、真っ白なページが続く。


「どういうこと…………?」


記録はここで終わりかと思ったが、白紙のページが五ページ続いたところで、やっと絵が現れた。


黒い線だけで描かれた絵…。


「お米…?いや、おかゆかな」