もっと食べないと、そうじゃないと頭がおかしくなる。

なのに、ない。

食べるものがない。

どうしよう、どうしよう、食べないと、食べないといけないのに。


食べないと死んじゃう、死んじゃう、死んじゃう、死んじゃう、死んじゃう、死んじゃう、死んじゃう、死んじゃう。


あのときのように。

お父様に食べることを許されなかったときのように。


だから、食べないと…………。



「食べ物……………何か、食べ物を……………………」



そういえば、さっき部屋の窓から八衣と敏が入ってくるのが見えた。

まだこの館の中にいるかもしれない。


「探そう…………」


呟いて、私は立った。



***