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あの人がうちをやめさせられたのは、私のせい。


あのとき…。

コックさんが断食を強いられていた私に食べ物を持ってきてくれたところを、執事のじいやに見られてしまった。


『これは……一体どういうことですか』

『違うんです、これは………!』

『旦那様にご報告させていただきます』

『ちょ、ちょっと待ってくださいよ!』


お父様のところへ行こうとするじいやを、コックさんが止めようとする。


『ちょっと待ってくれって言っているだろう!!』


コックさんが、じいやを殴った。


『きゃあああああああああ!!』


じいやの頭から、じわじわと血が流れていく。

私の大きな悲鳴を聞きつけて、他の執事やメイドが集まってきた。

お父様も、そこにいた。