後ろは壁だ、逃げることはできない。

立ち向かわなくては。

運よく、今私はナイフを持っている。

これで脅せば、執事さんはどいてくれるはず。


そう思ったとき、執事さんは一気に私との距離を詰め、そして私の首を絞めた。


「どこまで知っている!?

言え!言ってみろ!!」


『言え』と言われても、首を絞められていて、まともに酸素が吸えないのに、言えるわけがない。


「あ……ぐぎ………っ!!」


このままじゃ、殺されてしまう。

私は、手にしていたナイフを、無茶苦茶に振った。


「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」


ナイフは、執事さんの目に命中した。

やっと息ができるようになった私は、肩で呼吸する。


「はあっ………はぁ………っ…………」