「なんか、今日人少なくない?」


茉美が教室全体を見回しながら、私に言う。


「そう言われてみれば…確かに」


いつもならもう来ているはずの唯也と俊秀…そして、相模の姿がどこにも見当たらない。

まさか、今もまだあの館の前で相模の見張りをしているとか…?


と私が思った瞬間、ちょうど唯也と俊秀が揃ってあくびをしながら教室に入ってきた。


「おはよう、眠そうだね」

私は二人に言う。

「ああ………結局昨日の夜十一時頃まで見張りしてたからな」


敏達に聞こえないよう、小声で俊秀が言う。

じ、十一時って……そんな遅くまで見張りをしていたの!?


「でもその間、相模は一歩も館から出てきていないからな。

相模も、大分寝不足だろうよ」


と唯也。