敏は、館を出て行ってしまった。

取り残された私は、監禁されているであろう三人を捜すことにした。

私が今まで調べた部屋の中で、一番監禁場所に打ってつけなのは紫織ちゃんのお父さんの部屋にあった本棚の後ろの隠し部屋だ。

だけど、そこに唯也はいなかった。

考えたくないけど…唯也はもう、他の人達のように調理されてしまったかもしれない。

今まで、その可能性を感じながら、私はそれを信じたくなかったけれど……。

唯也より後にいなくなった茉美がもう殺されてたのだから、唯也が生きている確率は絶望的だろう。


「よし…」


とにかく、あの隠し部屋に行ってみよう。

私は足音を立てずに二階へ上がり、紫織ちゃんのお父さんの部屋へ入った。

昨日と同じように本棚の本をすべて抜いてから本棚を動かし、隠し部屋に入る。