「よかったなって………。

よくないよ!

だって、まだ中に希夏ちゃんと俊秀と唯也が……。

三人も、殺されて、食べられちゃうかもしれないのに!

どうしてそんなことを言うの!ひどい!」

「他人のことなんて、どうでもいい」

「そんな…」


前からひどいやつだとは思っていたけど…まさかここまでとは……。


「もういい!

私、もう一度あの館に行く!」

「行って、どうする?」

「えっ…………」

「行って、お前があの三人を助け出すことができるのか?

女一人で?

お前に、そんな力があるのか?」

「それは……」


希夏ちゃんも俊秀も、あの館の人肉料理に夢中だ。

私が引っ張っても、きっと館から出ることはできないだろう。

唯也だって、もし満足な食事を与えられずに衰弱していたら、私一人で運ぶなんて到底無理だ。