「お久しぶりです、敏様。

どうぞ、お上がりください」

「で、希夏と俊秀はどこにいるんだ?」

「お二人共、食堂で食事をされています」

「へぇー」


敏は、つまらなさそうに返事をした。



「んじゃ、帰るぞ八衣」

「えっ?」


帰るって……今来たばかりなのに?


「は?何?俺に逆らうつもり?」


そう言って、敏が私を睨みつける。


権力者には、従ったほうがいい。

自分の身を守るためにも。


それは、茉美と唯也からかつて教わったことだ。


だけど………。


「嫌、私帰らない」


今は敏に従ってはいけない気がする。