「ななっ………、なんです、か…………」


上擦った声で、私は執事さんにたずねる。


「どちらでゴキブリをお見かけなったのでしょうか?

場所がわからなければ、駆除のしようがありませんので………」

「あっ、それは…………えっと…………。

しょ、食堂です!」


咄嗟に私は答えた。


「ほう、食堂のどこあたりでしょうか?」

「えっと…………。

そ、それは……」

「では、案内していただけますか?」

「えっ?」


案内って………………。

紫織ちゃんのほうを見ると、紫織ちゃんはにこにこしながら、


「いってらっしゃい」


と私達に言う。