「あ、あとはよろしくって?」

唯也が敏に聞く。

「はぁ?

相模が俺達が帰ったあと、こっそり外へ出るかもしれねえだろ。

だから、あいつが出てこないように見張れってことだよ!」


と、敏は倒れた立て札を更に踏みつけ、苛立ちを見せた。


「ご、ごめん...」


去っていく敏の背中に向かって、唯也は申し訳なさそうに謝った。


私達女子は、敏に続き帰ることにした。

男子が二人いるとはいえ、こんな気味の悪いところでずっといるなんてごめんだ。

別に私達は敏に見張れと命令されたわけではないからいいだろう。

そう思ったからだ。