一階の部屋は調べ終えている。

次は二階だ。

二階には、紫織ちゃんの部屋があるから、注意しないと。


一階と同じように、奥から調べよう。


奥の部屋に入ると、そこは紫織ちゃんの部屋と負けず劣らずの豪華な部屋だった。

おそらく、紫織ちゃんのお父さんかお母さんの部屋だろう。

執事さんの部屋は、結構質素だったし。



でも、この部屋は使われていないのかな?

せっかくいい家具なのに、最近は使われていないみたいだ。


最初に人が一人入れそうなクローゼットや、ベッドの下などを調べてみるが、唯也の姿はどこにも見当たらない。


ここに、唯也はいないようだ。

…茉美や相模のように、バラバラにされていなければの話だが。


もし…バラバラにされていたとしたら…このドレッサーの引き出しの中に指くらいなら入れることができるだろう。


「ありませんように…」


と私は呟いてから、ドレッサーの引き出しを開けた。

そこに、人の指はなかった。