ジーパンの男は買い出しに行っていたから、てっきりまっすぐ厨房に向かうと思っていたのに!

とにかく、さっきと同じように暖炉の中に隠れ……。


「あ、八衣」


それは、聞き慣れた声だった。


「え…………俊秀?

どうして、ここに…………」

「学校に行ったら、八衣も希夏もいなかったから、ひょっとしてと思って休み時間こっそり抜け出して、ここに来てみたんだ。

そしたらビンゴ」

「そっか……」



とりあえず、ジーパンの男じゃなくてほっとした。


「てか、また希夏はタダ飯してんのか。

おい、希夏。

ここの料理が美味しいのはわかるけど、ほどほどにしておけよ。

昨日エクササイズしなきゃとか言ってただろ。

そんなに食ってると、太っちまうぞ」