私が早口でそう答えると、敏は黙る。

まずい、敏のお気に召さない返答だったか?
と焦るが、敏は数秒後、笑顔でこう言った。


「いいな、それ!さすが八衣」


よかった...とりあえず、敏の機嫌を損ねなかったことに、私は安堵した。


「早速あの館に行こうぜ、相模」


敏が相模の腕を引く。
意外にも、相模は拒まなかった。


「ほら、お前らも」

敏が私達の顔を見て命令する。

「えっ、私も!?」

ぎょっとする希夏ちゃん。

「そんな、あの館に行くなんて...」

「相模だけでいいじゃん」

と文句を言うのは、唯也と俊秀。

「は?もしコイツが逃げた時のために、捕まえるやつが必要だろ?

そんなこともわかんねえのか?

ほら、行くぞ」


というわけで、私達も一緒にあの館へ行くことになってしまった。