拝啓、両親様。



 東京に来てから4年、手紙のやり取りはまだ続いている。  
 ポストを見ると母からの手紙が入っていた。 
 数日前、専門学校に行くことを悩んでいると手紙に書き出した返事が来たと部屋のベッドに腰掛け見る。

 専門学校のことはまだ時間があるから落ち着いて決めなさいと母らしい答えがかえってきたが、最後には父が仕事のし過ぎで倒れた、大したことはなくすぐに退院したと書かれていたが胸がざわつき苦しくなった。  
 
 父が嫌いなわけではない。 嫌いと思ったことは一度もない。 
 それにあの時、父となにを喧嘩したのか覚えていないのだ。  いつものようにどうでもいい言い争いで喧嘩し、馬鹿みたいに4年間も意地を張り続けていただけ。 
 

  帰る時が来たのかもしれない。
 でも、帰ったら殴られるかもと考えたりもした。 
 勝手に、なにも言わず出ていったから。

 しばらく考えながら、仕事先に電話し休みをもらい携帯で夜間バスを調べ本日を予約する。
 キャリーバッグに多少の荷物を詰めて新宿へ向かう。
 
駅に着き、お土産をたくさん買い、この4年間のことを考えながらバス停まで歩き続ける。
 不安だったこと、辛いこともあったが楽しいこともあった。  
 そして、手紙のやり取りのこと。
 今のメールでやり取りする時代で、手紙のやり取りをするのは私ぐらいじゃないかと少し笑ってしまった。   
 
 
 もう来ていた夜行バスに乗り込み席に座る。
 携帯の両親の着信拒否を解除して母にメールしした。
 
 今から夜行バスで帰ります。 
 

  数分後、分かった、着いたら電話かメールしてと返事が来た。  しばらくたって動き出す夜行バスから窓の風景をみながら眠りに着いた。