ど、う、い、う、こ、と…………?

 本当だったの?

 ご主人。

「くぅーんくぅーん。くぅーんくぅーん。」

「ワンワンワンワン!」

 僕はご主人に叫び続けた。

 追いかけた。

 でも、ご主人は振り返らずに車に乗ってしまった。

 僕は叫んだ。

「ご主人!ご主人!」

 涙がたくさん溢れた。

 風はこんなにも優しいのに涙がたくさん溢れてくる。

「ご主人、ご主人が車でいってた通り僕を捨ててしまったの?」

 ううん。

 こんなこと考えるのは止めよう。

 もっと明るく考えなきゃ。

「戻ってきてくれるよね!」

 僕は無理矢理の笑顔を作った。