「”私なんか?”」

『蒼井先輩の隣が私じゃ、
 つり合わないとでも言いますか・・』


蒼井先輩が立ち止まって、私を見つめる。
雨が、ボタボタと音を立てながら
傘を打ち付ける。

蒼井先輩が傘を傾け、
透明な傘で周囲からの視界を遮る。

それから少しかがんで、
私の唇にそっとキスをした。

『っ!?』


不意打ち・・は、ズルい。
一瞬で、心に火がついた。

私の心は
大火事になった