「・・・・・・」

ん?止まった。
どした?
私、なんかついてる?
なんか、変?
キョロキョロと身の回りを見回す。

急に無言になった先輩は
着ていたグレーのパーカーを脱ぎ
私にそのパーカーを掛けた。

「着て」

いつもより、ワントーン低い声。
逆らわず、おとなしく従う。

パーカーに手を通し、先輩を見上げる。
寒くて、歯がガチガチいう。

先輩は、一歩私に近づいて
パーカーのチャックを首元まで
びっしり閉めた。