「使いなさい。
 私は教授たちに送ってもらうから」

そう言って、先生はウィンクをし、
出て行った。

え?
え?
ずぶ濡れの上に
出口のない迷路に迷い込んだみたい・・

「しょーがないね。じゃ
 送っていくから、行こ」

『だい・』

「大丈夫です、とか、言わないでね。
 俺、一応先輩だし。男だし。
 こんな雨の中、
 その恰好で帰すわけには・・」