「ご、ご、ごめんっ」

と、大希が腕を離す。

『ううん』

大希の目が見れなくて、俯きながら答える。

「答えは今じゃなくていい。
 だけど俺、そんなに長くは
 待てねぇから」

コクリ、とうなづく。

「中、入って。お前が入ったら
 俺帰るから」

私はなんとか大希を見る。
そこには、目も頬も耳も真っ赤にした
今までに見たこともない大希が居た。