いつだったか、皆とごはんを食べているとき
高校2年の夏、肩をケガして思うように投げられなくなり、野球をやめた、と聞いた。

大希は、誰にでも優しいわけじゃない。
ぶっきらぼうで
喜怒哀楽が激しくて
単細胞で考えていることがわかりやすい。
だから
安心する。
嘘のつけない人だから。

私のただ一人の
男友達。

「あれからどうした?先輩と」

『何が?』

「江里菜のこと、伝えた?」

『あ!すっかり忘れてた。
 明日怒られちゃうな』