私は握っていた手に力を込めて、蒼井先輩の方に横向きになった。
蒼井先輩も同時に私の方に体を向けたから
2人の顔が、重なるぐらいに近くにあった。
離れようとしたけれど、先輩が繋いでいる手を引きよせて
離れられない。
近いまま、話し出す。
「俺が3歳のとき。
フランスに行こうって言われたのを、
絶対行かない、って言って断った。
それだけ、覚えてるんだ」
『なんか、いろいろすごい・・』
「でしょ?だから、俺はあの人のこと、全然恨んでなんかいないんだけど。あの人は多分、俺のことを恨んでる」
『それは、ないと思います』
「なんで?」
蒼井先輩も同時に私の方に体を向けたから
2人の顔が、重なるぐらいに近くにあった。
離れようとしたけれど、先輩が繋いでいる手を引きよせて
離れられない。
近いまま、話し出す。
「俺が3歳のとき。
フランスに行こうって言われたのを、
絶対行かない、って言って断った。
それだけ、覚えてるんだ」
『なんか、いろいろすごい・・』
「でしょ?だから、俺はあの人のこと、全然恨んでなんかいないんだけど。あの人は多分、俺のことを恨んでる」
『それは、ないと思います』
「なんで?」

