「・・なんか・・・」

『今のなしっ!
 忘れてくださいっ!!』

そう言って立ちあがった私の手を
蒼井先輩の手が素早く捉える。

「待って」

蒼井先輩の手を振り切って歩きだす。

なんだか物凄く恥ずかしくなって、
カフェを出てから全速力で駆け出した。

走りながら、
ここまで恥ずかしがることはないのに、
とどこかで思っていた。

でも
なんだかよくわからないけど
恥ずかしい。