オオカミスイッチ 【完結】

「ごめぇ~ん。今は俺、この子のもんだから」

『ちょ、蒼井先輩っ』

「えーー!ゆずると行きたかったのにぃ」

派手目な女性の、甘いさえずりが鳴りやまない。

「ごめんね、また誘って」

女性たちは私に小さく舌打ちをして、ヒールの踵をこれまた派手に響かせながら去っていった。

『いいんですか?怒ってましたよ』

「いいのいいの。俺じゃなきゃだめ、ってわけじゃないから」