オオカミスイッチ 【完結】

「なんか、懐かしいな」

『ハイ』

ビルの屋上から見渡す景色は
あの時と全く変わらず
大都会が眼下に広がり、
色とりどりの宝石を散りばめたように
窓やネオンが輝いていた。


変わったのは、私。
蒼井先輩に対する想い。
蒼井先輩との距離。
ゼロだった2人の思い出が
今はいっぱいある。

―――私は、恋をするということを
       知ってしまった―――