オオカミスイッチ 【完結】

「あれ、弦君!?
 いつも一人でくるのに
 誰かと一緒にくるなんて珍しいね」

割烹着を来た、少し太っちょのおばちゃんが
水を2つ手に持ってきた。

「うん。彼女、連れてきた」

「あらあ」
とおばちゃんは割烹着で手を拭きながら
「やっと弦君に春が来たかっ!」
と豪快に笑い、注文も受けずに戻っていった。

「ここ、夜は居酒屋やってるの。
 昼は夜の残ったもので、日替わり定食
 やってるんだけど、メニューはその
 日替わり定食ひとつだけ」