オオカミスイッチ 【完結】

・・んっ・・う・・

手が・・
蒼井先輩の手が・・


頭の中で
静先生の”お願いね”という言葉が
蘇った。
”世界中から優秀な研究者が集まってる”
たしか、そんなことも言ってた。



―――オオカミに、
      食べられてる場合じゃない。



『・・って・・』

だめだ。
声がでない。
こんなんじゃ、届かない。


『待って、蒼井先輩っ!!』

やっと声が出た。
私自身が
止められなくなるところだった・・