「また、以前のように
 心に鍵を掛けてしまった。
 感情を、すっかり心の奥に
 しまいこんでしまったのさ」

『そんな・・』

ドクター蒼井は囲炉裏の鍋から
キノコ汁だよ、と言って汁をお椀に入れ
私に渡した。

「わたしから見ても
 好き合っている、相思相愛に見えたから
 親子ですっかり騙されてしまったんだね。
 わたしも驚いたが
 弦は驚いただけでは済まなかったんだ」