『いえ、もう大丈夫です』

「わたしが弦に怒られるよ。
 はっはっは・・」

『でも・・』

「こういうときは、甘えなさい」

眼尻にしわをよせ、優しくほほ笑むドクター蒼井の言う通り。
私はもう一度布団に横になった。

囲炉裏の、オレンジ色に燃える火が
心まで温かくしてくれる。
時々パキっと音を鳴らしながら燃える枝が
私はひとりじゃない、と教えてくれた。