颯爽と東京の街を駆け抜けて
たどり着いたのは古びた雑居ビルの前。

「おいで」

蒼井先輩が、薄暗いビルの中へ誘い込む。

いや~どうなの?これって、いいの?
不法侵入とかに問われないの?

「リオ、何してんの?早くっ」

『ハイ!』

警戒信号が高鳴る自分の中に
どこかワクワク楽しんでいる自分がいることに気づいた。こんな気持ちは小学校の社会科見学以来だ。