後方の座席はまばらに空席がある。

2人分の席は、空いていない。

後ろの方に歩いていくと
1人で座っていたカナちゃんが
蒼井先輩の上着をつかむ。

「蒼井先輩、ここ、どうぞ」

蒼井先輩はちらっと周りを見てから
黙ってカナちゃんの隣に座った。

「ありがとう」

「いーーえーー♪」

通路を挟んだ反対側には
福富先輩が座っていた。

「お前は、ここ」

『ハ、ハイっ』

「窓際の方がいいか?」

『大丈夫ですっ』