走る。
走る。

蒼井先輩めがけて走る。

蒼井先輩は私の名前を呼んで
大きく手を振っている。


ようやくそのバスの前に来た。

「リオ、飛べ!」

蒼井先輩が大きく手を広げる。

私は走りながらバックの肩のヒモを
ぎゅっと掴み、
立ち止まることなく
走ったままの勢いでバスに飛び込んだ。

飛び込んだと同時に
バスのドアが閉まった。