オオカミスイッチ 【完結】

「紅茶と、服。
 届けてくれてありがとね。
 こっちもこれ、渡そうと思ってたんだ」

先輩が出したのは、あの日、本を運ぶときに
本が濡れないようにカバーにした、上着だった。

そんな話を聞きに来たわけじゃない。
上着を受け取りに来たわけじゃないのに・・

言い訳くらい、言ってよ。
そのくらい、聞く心は持ってるんだから。
・・・でも、私にその資格なんてない。

だって
私は
彼女じゃ
ない