オオカミスイッチ 【完結】

黒い革のソファに座る。
ふわっと深く、体が沈む。

少しして、蒼井先輩が
紅茶のマグカップを持ってきた。

「どうぞ」

『・・・・』

「これ、リオが届けてくれた紅茶だよ」

『・・・・・』

「なんで黙ってるの?」

『・・・・・』

私が黙っているのは
何か話し始めたら
いろんな思いが言葉となってでてきそうで
怖かったから。