オオカミスイッチ 【完結】

「俺、女の子を部屋に入れて
 緊張するタイプじゃないんだけど、
 リオは特別。
 今、すごく緊張してるみたい」

ゆっくりと私を離し、
部屋の中へと入っていく。

「リオ、来て」

私は一瞬ためらってから
意を決して先輩の後をついていった。

「その辺、座って」

すごく広い。
窓からは、夜景が180度見渡せる。
グレーで統一された部屋の中には
余計なものは何ひとつなく
生活感すらも、なかった。

寂しい、部屋。
それが最初に感じた
部屋の印象。