オオカミスイッチ 【完結】

「少し静かにしてて」

『静かになんてできるわけ・・』

蒼井先輩が、ぎゅっと私の手を握る。

「頼むから・・黙ってついてきて」



車が地下駐車場に入る。
見たことのある建物。
見たことのある場所。

今、私が、一番来たくない場所・・

エレベーターに乗り、上階へと動き出す。
蒼井先輩は、何も言わない。
私は抵抗するのを諦めて
心を静めていた。