オオカミスイッチ 【完結】

「ちょうどよかった!
 私、課題の添削中で忙しくて
 手が離せないの。
 コレ、弦に届けてくれない?」

それは、おしゃれなシルバーの入れ物に入った
フランスの紅茶だった。

「マリアージュフレールの紅茶。パリの本店で
 買ってきたやつ。頼まれてたんだけど
 ずっと渡しそびれてて」

『でも』

「こっちは皆川さんにあげる。
 同じやつよ」