「令奈?顔赤いけど、具合でも悪いのか?」
そしてたまにキズなのが、少し鈍感なとこ。
そういえば、神崎部長も春馬さんは鈍感って言ってたっけ……。
「大丈夫ですよ?元気です!」
「そうか……?ならいいけど」
「春馬さん、心配性すぎますよ」
なんて笑いながら答えたけど、正直初出社で緊張もしてたし疲れがいつもよりたまっていた。
そのせいか、頭がちょっとクラクラするのは心配性の春馬さんには秘密。
「あ、そうだ。
私たちが付き合ってるって山崎さんに聞かれたんですよ。
でも、やっぱり秘密にしなきゃと思って嘘をついたので、もし何か聞かれたとしても口裏合わせてください」
ほんとはしたくないけど、やっぱりダメだと思うし……
なんて思ってるのは私だけだったらしく、春馬さんは
「そう言ってるけど令奈、ほんとは秘密になんかしたくないんじゃないのか?」
なんて見破ったうえに
「俺は隠したくない。
堂々と令奈と付き合いたい。
前は俺の会社でもなかったし、元々社内恋愛に正直不満もってたしな。
でも今は、俺の会社だし社内恋愛も悪くないと思ってる。
そう思えたのは令奈のおかげだ」
春馬さんが社内恋愛に不満を持ってたなんて初めて知った。
隠したくない、か……



