「確かに、仕事人間ではありました。

でも冷たくなんかないですよ?」





冷たい人なんかじゃない。





ほんとは心暖かい人だよ。





ただ、不器用なだけで。





「え?冷たくないの?
いつも何を考えてんのかわかんないくらい、クールにきめてるのに」





「ちゃんと、心暖かい人だと思います」





「そっか〜、雛沢ちゃんは桜木社長のことなんでも知ってるんだね?」





雛沢ちゃん?





なんでも知ってる?





この2つの単語が気になって気になって……





「雛沢ちゃんって……?

社長のことは、なんでも知ってるわけでもないですが
何度か心暖かさを見せてくれたからわかることですよ」





「いいじゃん、せっかく一緒に仕事するんだし
仲良くしてよ!ね?雛沢ちゃん!

ま、社長のことはこれからゆっくり聞き出すから覚悟してね〜」





そう言って山崎さんは秘書室を出て行った。





あまりにも圧倒される勢いだったけど、根はいい人なんだろうな〜って





山崎さんに春馬さんと付き合ってること言っても、コネと思われなくて大丈夫だったかもしれない





嘘をついたことに罪悪感を感じた。